表題部所有者が共有で全員亡くなっているときの保存登記

相続登記のご相談をいただきました。

お客様は複数の不動産をお持ちで、不動産の登記簿を調べていくとその中には表題部しか登記がされていない不動産もありました。

このような不動産には「所有権保存」という登記を行います。

所有権保存とは、その不動産について誰が所有者であるかを記録する最初に行う所有権登記となります。

 

 

今回、所有者として登記されているAさん、Bさんはどちらも亡くなっていました。

 

 

・Aさんは平成24年に死亡し、Bさんは平成30年に死亡しました。

・Aさんの死亡時、Bが全て相続する旨の協議が成立していて、その後Bさんの死亡時にはCが全て相続する旨の協議が成立していました。

 

 

所有権保存の登記で所有者が亡くなっている方名義であることは多々ありますが、今回通常と異なる点が2点ありました。

 

①表題部所有者であるAに数次相続が発生していること

②表題部所有者が共有であり、かつ共有者全員亡くなっていること

が今回の検討点となります。

 

登記申請書のうち、所有者欄の表示方法について悩み、一つずつ検討してみることにしました。

 

 

①の数次相続が発生している場合、通常所有者欄は以下のように表示します。

(被相続人○○)

(上記相続人△△)

申請人住所

申請人氏名

 

また②の表題部所有者が共有であり、一方が亡くなりもう一方が相続し単独で所有することになった場合、所有者欄は以下のように表示します。

(持分□分の□につき被相続人〇〇)

申請人住所

申請人氏名

 

 

今回はこの上記2つの混合型となりますが、検討を重ね

(被相続人 A、B)

申請人住所

申請人氏名C

 

の表記で無事に登記が完了いたしました。

 

 

今年の4月から開始となった相続登記の義務化により、相続登記のご相談が増えております。

また、このように長い間相続手続きをしておらず、実は先代名義の不動産があるんです・・・というご相談も多いです。相続手続きをしていないと相続関係が複雑となり、それに伴い登記内容も通常と異なるケースもございますが、精一杯対応させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。